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ストーンウォッシュジーンズと珪肺症

Stone Wash Jeans and Silicosis

2010/1/26

France 24: Globalisation: When fashion kills)

ジーンズの主要生産国であるトルコでは、近年のストーンウォッシュジーンズへの需要の高まりに応えるため、数千人の労働者に手作業でのデニムへのサンドブラスト(砂の吹き付け)を行わせています。しかしながら、労働者のための防護服やマスクなどといった安全保護は整っておらず、その結果、多くの労働者が珪肺症(けいはいしょう)に苦しんでいます。

繰り返される粉塵吸入が原因であるこのタイプの肺の病気は大変な痛みを伴い、治療方法がなく、死に至る危険があります。トルコではすでに44人の労働者が命を落とし、数百人がこの病にかかりました。しかしながら、不法労働者や健康保険に加入していない人々も多いため、実際の被害者の数ははるかに多いとみられています。

20年以上、ヨーロッパで着用されているほとんどのジーンズはイスタンブールの工場で生産されたものです。その中でも、ストーンウォッシュデニムはイスタンブールが得意とするものです。

しかしながら今日では、ジーンズ産業に従事する数千人のトルコ人労働者が珪肺症(けいはいしょう)に苦しんでいるのです。


このレントゲン写真に映し出されている結節は珪肺症(けいはいしょう)によるものです。これは、シリカ粉塵の吸入によって引き起こされます。

42歳のIbrahimも、珪肺(けいはい)に苦しんでいます。

「体力がありません。働けませんし、すぐに疲れてしまいますし、食欲もありません。数キロ体重も減りました。薬はありますが、手が届く値段ではありません。」

珪肺症(けいはいしょう)は通常、炭坑労働者によくみられる病気です。しかしながら、Ibrahimは炭坑で働いたことは一度もありません。3年間ジーンズのサンドブラストを続けた結果、この病にかかってしまったのです。

「私たちはとても有名なジーンズブランドのジーンズを作っていました。サンドブラストをしたりブリーチをしたり。私はこのせいで病気になってしまいました。雇用者は簡素な黄色のマスクを提供するのみで、私たちはひどい労働環境の中で毎日12時間も働いていました。」

「4年間に、550人の患者が珪肺症(けいはいしょう)と診断されました。しかしながら、このセクターに従事する約10,000人という労働者の数を考慮すると、最低でも3500~5000人が珪肺(けいはい)にかかった可能性があります。」


ストーンウォッシュデニムは、狭い部屋の中で砂を高圧力で直接吹き付けて作られます。

「これはずいぶんましなほうです。このビデオの人々は、昔のシステムの1/3の砂を使用しています。昔のシステムでは、この人たちは砂塵に包まれて見えなくなっているでしょう。」

ストーンウォッシュジーンズへの需要のピークだった1990年代には、イスタンブールのこのエリアには多くの工場が立ち並びました。

「私はかつてここで働いていましたが、工場は新しい名前に変わっています。サンドブラストはコンプレッサーを使ってここで行われました。2㎡たらずの部屋の中で12時間も働いていました。」

今日でも、安全基準はきちんと満たされているとはいえません。この工場でも、色止めをしているこの労働者たちはマスクをしていません。


「確かに、これらの行為はトルコに責任があります。でも、責めるべきはこれらのジーンズを購入する人々です。貧しい私たちではなく、裕福な人々の責任です。ジーンズへの需要が絶えることはありません。つまり、主要ブランドはトルコを含めインド、バングラデッシュ、エジプトといった貧しい国々で生産しているのです。」

主要ブランドはサンドブラストの使用を否定していますが、珪肺症に苦しむ人々は増え続けています。


1年前、医者や弁護士のボランティアで、サンドブラスト従事者たちを助けるための委員会が立ちあげられました。

「責任は国にあります。国がシステムを制御しておくべきなのです。ルールや規制なしに好き勝手にさせてはいけないのです。国はしっかりと規制を行い、労働者にとって有害な環境の工場は閉鎖する責任があるのです。」


調査員は、こういった工場を見つけるのは不可能だといいます。

「これらは違法な工場です。何の登録もありません。突如として現れ、3日間ほど営業をし、レポーターなどが来ればすぐに姿を消してしまうのです。彼らの行為を止めるのも、見つけるのもとても困難なことなのです。」

今日では、サンドブラストは違法行為であり、安全対策などは強化されました。しかしながら、こういった対策が工場内で実施されているかどうかというのには疑問が残るところです。

「リスクは最小限に抑えようとしています。今では、こういったマスクの使用を義務付けています。」


父親であり一家の大黒柱であるIbrahimは、貧困に苦しんでいます。不法労働をしていたIbrahimは、誰が雇用者であったかを証明することもできません。

4ヶ月前、彼の一家は住んでいた家から追い出されてしまいました。それ以来、Ibrahimの妻が清掃員として働いているこの学校の地下で生活しています。貧しい生活環境で、Ibrahimの健康状態は悪化するばかりです。

「今は年金・生活保護を受け取ることが頼みの綱です。私の雇用者は姿を消し、政府は見つけることができません。年金を受け取るまで命が続くかもわかりません。確かなものは何もありません」


珪肺症の被害者を見つけるため、トルコの中でも特に貧しいクルド地域に向かいました。最初の珪肺症死者が正式に確認された場所です。

ここには仕事がないため、70人以上の青年がイスタンブールのサンドブラスト工場に出稼ぎ労働をしました。そしてこの22~25歳の若者たちは、致命的な病とともに故郷に戻ってきたのです。

「粉塵が危険なのは知っていました。でも、まさか死に至る危険があるとは。私は2年間働きました。5~6年働いた友人もいます。その後にこの病気のことを知り、友人の2人が亡くなりました。私たちはとても恐ろしくなってこの仕事を辞めました。」

「何をサンドブラストしているかもわからなくなるほど粉塵にあふれていました。当時15、16歳だった私たちはその危険性を知りませんでした。家族が知っていれば、私たちをそんな場所に働きに行かせたりはしなかったでしょう。調査員は来ましたが、わいろを受け取っていなくなってしまいました。何の質問もせず、危険性を伝えることも何もしませんでした。」

この仕事で、労働者は月給350ユーロを受け取っていました。村の家族を養うのに最低限の額です。

この村ではすでに11人が珪肺症で亡くなりました。

「この病気には治療法がありません。薬もありません。家に戻って死を待つのです。」

彼らはサンドブラスト従事者たちを助ける委員会とともに、何とかして国からの年金を受け取ろうとしています。自分たちのためではありません。彼らの子供たちが同じ被害者とならないように・・・。

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