Tannery, Polluted River and Health
バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)の中心を流れるブリガンガ川(Buriganga River)。毎年、2億4000万ドルもの価値のあるレザーが、バングラデシュから輸出されています。そのほとんどはヨーロッパへと輸出され、 ハイストリートのバッグ・ベルト・靴などに生まれ変わります。しかしながら、その生産の多くを占めるダッカのなめし工場は川、そして周辺に住み働く人々を汚染しているのです。
(© the Ecologist : Hell for Leather: the toxic trade in leather from Bangladesh to EU)
「この川は私たちにとって母なる川。でも、彼らにとっては排水溝でしかない。産業廃棄物はすべて川の中に放置されているのです。だから、この川には魚も動物もいない。この川の水を使うことはとても危険なのです。」
~Jasodhan Paramanik・環境問題専門家~
1日に約50トンもの化学薬品が使われています。そしてその排水は未処理のまま、排水溝へと流されています。
The Society for Environment and Human Development (SEHD)の調査では、ダッカのなめし工場労働者のほとんどが化学薬品による病気に苦しんでいることがわかり、その90%が50歳までに亡くなるだろうと推測されました。
手袋も靴もなしで働く、労働者たち。
工場のオーナーにこの状況について話を聞いたところ、化学薬品はヨーロッパ製のものなので安全だとの答えが返ってきました。
「私たちが購入している化学薬品はすべてヨーロッパからのものなので、環境や健康に有害ではないという安心を与えてくれます。」
~Tipu Sultan・皮鞣し工場組合代表~
ヨークシャーのClariant社製造のなめし製品を販売するChemitan Ltdの経営責任者は、ハザーリバーグで使用されている化学薬品の約20%はClariant社のものと推測し、これらの化学薬品は安全なものであると信じています。
「エコフレンドリー。これらはすべて環境にやさしい。 本当に環境にやさしいかどうか検査をしたことはありませんが、安全性データシート(SDS)によるとこれらはエコフレンドリーです。」
~Mazakat Harun・Managing Director of Chemitan Ltd~
しかしながら、イギリスの専門家は疑問を投げかけています。
「安全とは、使用している化学薬品の使用説明書をすべて理解し、そのとおりにすべて実践するということ。そして、いくら化学薬品そのものが安全であっても、他の化学薬品との混合によって非常に危険な「カクテル」を生み出しているかもしれないのです。」
~Elizabeth Salter Green・CHEM TRUST~
「 そのような化学薬品の混合物を放流するということは、パンドラの箱をあけてしまったようなもので、何がおきるかを予測するのはほとんど不可能なことです。」
~Dr Paul Johnnston・グリーンピース研究所~
Harun氏は、ハザーリバーグでは毎日5~10トンのClariant社製なめし用化学薬品が販売されていると推測。しかし、Clariant社は、ハザーリバーグでの問題についてコメントを控えただけでなく、 バングラデッシュへ輸出している化学薬品に関する安全性や内容に関する情報提供も拒否しました。
過去7年間、政府はなめし工場をDahka郊外に移転する計画をたてましたが、予定されていた100の工場のうちたった1件のみが建設を開始。その後、この移転計画は無期限延長になりました。
安い製品は、消費者にとってはとても魅力的なもの。しかしながら、その裏で悪夢はバングラデシュ・ハザーリバーグで続いているのです。



